態度と説得
態度について
「態度(attidude)」とは「人や事物・社会的な問題に対する一般的で持続的な肯定的、または否定的な感情」(petty,R.E.,&Cacippo,J.T.,1981)とされている。
ローゼンバーグ、ホヴランド(Rosenberg,M.J.,Hovland,C.I,1960)による「態度」の定義によるとそれを規定する要因は3つであり認知、感情、行動とされている 。ある刺激に対して3つの要因は相互に関連し、依存する。認知、感情、行動の間の関係は一貫性を示すことが多いとされている。
カッツ(Katz,D.,1960)によれば態度には4つの機能があるとされている。
「態度」が果たす機能
1、適応機能
2、自我防衛機能
3、価値表出機能
4、知識機能
の4つである。
1、適応機能 報酬を最大化し罰を最小化しそれをもとに行動する。
2、適応機能 劣等感や不安を生まない様な態度を取り自我を防衛し心の安定をえる。
3、価値表出機能 自分のアイデンティティを表出させる態度をとる事で自分らしさを保つ。
4、知識機能 複雑な世界を理解する為に自分がどういった立場にあるのかに基いた態度をとる事によって問題を理解、解決する。
態度の強さについて
「態度(attidude)」とは「人や事物・社会的な問題に対する一般的で持続的な肯定的、または否定的な感情」と上述したがその態度には強さがあり、長期間にわたって一貫性を示す強い態度である場合もあれば時にはその態度が変化する場合もありそれは態度の強弱によるものである。
時間を超えた一貫性、感情、認知、行動の一貫性が見られる場合、その強度は強いと考えられる。
説得について
「態度」を変化させることを「説得」と呼ぶ。
「説得」の要因には送り手、送るメッセージの提示方法などが挙げられる。
説得効果は規定によって異なるとされている。ホブランドらによると以下の4つが規定要因として考えられる。
1、説得の送り手が誰かで説得効果は異なる。
2、メッセージの内容、構成、表現により説得効果は異なる。
3、説得の媒体により説得効果は異なる。
4、受け手の個人差により説得効果は異なる。
1、説得の送り手が誰かで説得効果は異なる。→送り手の信憑性の有無は「態度」の変化において「説得」が与える影響の大きさを左右する。
2、メッセージの内容、構成、表現により説得効果は異なる。→受け手を攻撃・不安を煽るような内容、構成、表現であるかどうかが説得効果の高低に影響を及ぼす。
3、説得の媒体により説得効果は異なる。→活字メディアか視聴覚メディアかといった差異は説得効果の高低に影響を及ぼす。
4、受け手の個人差により説得効果は異なる。→受け手の自尊心、知能のレベルの差異は説得効果の高低に影響を及ぼす。
*信憑性の有無が態度に与える影響は一時的であり時間の経過とともにその要因の影響の強さは薄れてくると考えらている(スリーパー効果) 。
人は経時的な変化に伴って情報と人物を切り離して考える傾向がありそのため情報自体に与える要因としての送り手が与える影響が時間の経過とともに薄くなってくる(分離手掛かり仮説) 。
また説得の効果に与える2つ目の要因である情報の提示の仕方であるが説得したい内容のみの提示を1面提示、それ以外の反対の情報も含めて提示する事を両面提示という。
この提示の仕方が説得に与える影響は説得したい相手の状態によっても大きく異なる。
相手の説得内容についての知識がある場合、ない場合の次元があると考え、説得内容に知識がある場合は両面提示が有効であり知識を持たない場合は1面提示が有効とされている。
この様に人の認知、感情、行動によって構成される「態度」は「説得」によって変化するがそれには説得のための情報の送り手の人物の要因、説得する対象とする人物の要因、それに対しての情報提示の仕方の要因が大きく影響する。